長くなりますが(ネタバレ含)

アイシテル~海容~前編 (KCデラックス)

アイシテル~海容~前編 (KCデラックス)

アイシテル〜海容〜、原作の方の感想です。
だいぶ前に読んだけどドラマが終わったら感想書こうと思ってたので今更。
(ちなみにドラマ第1話を見てどーしても先が気になってこれを読んで、
なんとなく気が済んでそれ以降ドラマほとんど見なかったという)
以下ちょっとネタバレあるので、これから見ようと思ってる人はご注意。
(原作読んだ人、ドラマ見た人、これから見る気がない人向け)


このお話のなかのいろんなエピソードが、子供がいる自分にも日常有り得る
ことばかりで、まったくの他人事に思えませんでした。
たとえば、主人公のさつきがチャットに熱中してて、変質者にいたずらされて
心身ともに傷ついた息子に気がつかなかった、というシーン。
これ自分も子無しだったら「ひっでえ母親!」とか思ったかもしれないけど、
実際に子供が服もカバンもそのままでシャワー浴びてるの見たら
「教科書も濡れてるじゃない!」ってなっちゃうのはしょうがないと思う。
あと、ランチしてて帰宅時間にいなかったというのをネットやマスコミに
キヨタンのお母さんが叩かれるわけですが、
「たまにイレギュラーな時間に帰って来るんだよなー」っての、分かります。
全編に渡って、双方の親が「子供がこうなったのは親のせい」と決め付ける
ネット(主にニュー速住人あたり)やマスコミや世間の目に苦しめられてる印象。
でも振り返ってみると、普段自分もそういう心無い世間の一人だったりするし、
はたまた運が悪ければ叩かれる側にいつなるか分からないわけです。
ニュース見てても「これ完璧に親が悪いよね」とかサラっと言ってみたりする一方で、
自分の子の蛮行に「何が悪かったんだろう」と頭が痛かったりするわけです。
何が言いたいのか上手くまとまんなくなっちゃったけど、
子供が絡む事件事故の際、単純に何でも親のせいにするのはやめた方がいい
(もっと深い闇があるのに気付かずに風化を早めてしまうかも…)というのと、
自分の子供にもっと感心と愛情を向けてあげよう
(ネットしててほったらかし…って今も実際そうだし)
というのを改めて思いました。
よく分からないけどなんだか読んでて泣けちゃって、とくに泣けたのは
「加害者の母の気持ちが一番分かってくれてるのが被害者の母」という、
不条理だけど救いのあるラスト前のシーンでした。


あと最終回だけドラマ見たんだけど、ラストはマンガの方がよかったです。
とくに「自分は愛されてない」という負い目のあるキヨタンの姉の美穂子が、
原作ではすごく幸せになってます。
(育児日誌、1人目はちゃんと書いてたけど2人目は書いてないのよ、とか
すごいリアルだと思った…)
あと加害者少年の裕一(原作の名前)が、生まれたての弟に触れて
改めて自分の罪の重さを感じるシーンも、ちゃんと大人になった姿で
描かれてるので良いです。(ドラマ、中学の制服不自然すぎ)


あとこのマンガと関係ない話だけど、作者の人「おがみ松五郎」描いてた人だ!
懐かしい…好きだったなあ。(シュワちゃんぽい番長のマンガ)
でもこれはちゃんとレディコミらしい絵なのでご安心を。