日常の中の忘却のサチコ体験
披露宴の最中に新郎に逃げられるという、大変ショッキングな始まり方をするマンガです。
しかも主人公の幸子さんには何の非もなく私が今読んでる時点でも理由が明かされてないので
普通ならもっとモヤモヤしそうなものだけど、「美味しいものを食べてる時は全て忘れられる」
ということの説得力が凄いのでわりと脳天気に読めます。
幸子さんはとにかく真面目で礼儀正しくて仕事熱心で…とか言うと凄いつまらなさそうだけど
めっちゃキュートな女性。ここまで何事も一生懸命だとつい応援してしまう。
(ストレートな物言いとか深々としたおじぎにモブの人が引いてるシーンをよく見るけど、
多分実際に接したらあんな感じだろうな~でも好感持つと思う)
1~2話完結で様々な美味しいもの(庶民的なものと贅沢なものが半々ぐらい)を食べてはつらいことを
忘れる幸子さんですが、私が一番憧れたのは、香川でうどんタクシーに乗ってうどん屋さんを
何軒もハシゴするお話。
「うわーいいなー!」と思ったけど、よくよく考えたらうどんなんて何杯も連続で食べられないわ…
温玉ぶっかけにちくわ天乗せの1杯で満足してしまう。(幸子さんは結構大食い)
逆に北斗星の話は、列車の中で何時間も食堂車の行列に並ぶのを知って幻滅…
毎回しっかり取材されてるみたいで、面白いだけじゃなくて結構タメになります。
余談ですが作者の阿部潤さんが昔描いてた「The山田家」ってギャグマンガも大好きでした。
そのマンガとは絵も内容も全く違うのでなかなか頭の中でイメージが一致しなかったけど、
渋いお寿司屋さんが出てくるお話のあとがきに山田家のトムさんを描かれててちょっと嬉しかった。
そういえば山田家と同じぐらいの時期に好きだった「アゴなしゲンとオレ物語」を描いてた
平本アキラさんも全然作風の違う監獄学園を今描かいてるし、ギャグ作家から華麗な転身がブームなのか?
(2人ともこれだけの画力持っていながら長年シュールギャグを描いてたのが凄い)
あとこれはマンガの内容と直接関係ないんだけど、先日あんまり行き慣れない日本橋で
一人でお昼を食べることにしたものの、どこに行っていいか全然分からないので通りすがりの
焼き鳥屋さんのランチにしました。(「ゆとりですが何か」を見てて焼き鳥が食べたかった)
で、焼き鳥丼を注文したんだけど、運の悪いことにそのお店全席喫煙席でした~٩(′д‵)۶
そういうお店だからカウンターの両隣のリーマンも普通に吸っててめっちゃ煙い。
「うわ~失敗した」(ここ、他の客が酒飲んで騒ぎ出した時の井之頭五郎状態)と思って
早く帰りたかったけど、運ばれて来た焼き鳥丼が一口食べただけで
「なにこれスーパーのお惣菜売り場の焼き鳥と全然違う!すんげー美味しい!」と。
食べてる間は隣でスパスパ吸ってるタバコも気にせず、
食べると減ってしまう焼き鳥の残りだけ気にしてました。
もしかして「忘却のサチコ」で毎回描かれてるのはこの状態?!ってあとから思いました。
えーとそれだけの話です。